「お前はツナのことが好きか?」 突然投げかけられた質問に、ハルは考えることもなく頷いた。 頷く以外のことなんて考えることもなかった。 「突然どうしたんですか?リボーンちゃん」 リボーンの目は真剣で、ハルは茶化して言っているんじゃないと分かっているから、首を傾げた。 どうして、今更そんなこと。 首を傾げるハルに、リボーンはにやりと笑った。 「ちょっとな。ところで、ハルは何でツナが好きなんだ?」 「はひっ?」 何で・・・何で、ツナが好きか。 リボーンの質問を何度も頭の中に浮かべてみるけれど、結局その質問がぐるぐると回るだけだった。 「えっと、何で、ツナさんを好きか・・・」 うーん・・・と考え込んでしまったハルに、リボーンはため息を吐いた。 「そんなに考え込むことか?」 「はい!・・・だって、ハルもわかんないんですもん」 しゅんっと落ち込んでしまったハルに、リボーンはふと小さな笑みを浮かべた。 「わからない?」 「はひぃ・・・。いっぱい考えたんですけど、ハルは何でツナさんを好きなのかがわからないんです。ラブなものはラブなんです!」 びしっと拳を天に向けて言い切るハルに、リボーンはついつい笑いそうになった。 「じゃあ、質問を変えてやる。ハルは、ツナのどこが好きだ?」 「全部です!」 今度は即答だった。 その潔い返事に、リボーンは若干呆気にとられた。 「ハルの思い出の中にどんどん増えてきてるツナさんが全部、大好きです!」 細かいことを問う必要はないと思った。 その満面の体中からあふれるかのような蕩けるような笑みがすべてを物語っているように思う。 今までツナがハルの前で見せてきたツナの姿すべてを、ハルは好きだと胸を張っていた。 勉強ができない姿も、死ぬ気のモードも、小言ツナも、泳げない姿も、ダメダメなところも、頼まれたら断りきれないところも・・・京子が好きなところも。 すべてを踏まえて。 「なら、ツナを振り向かせるために頑張れよ」 らしくないことをすると思う。 けど、らしくないことをするっつーのも中々良いもんだ。 「はひ!って、ツナさんを振り向かせるためにはどうしたらいいんでしょうか・・・」 んーと考え込むハルに、リボーンがにやりと笑った。 「別に今まで通りでかまわねぇぞ。ハルはそのままでいろ」 「そのまま?」 きょとんとハルがリボーンを見て首をかしげた。 「ああ」 「・・・はい!分かりました!」 しっかりと頷くハルを見て、リボーンは少しだけ俯いた。 「お前の、お前らしいところが・・・必ずツナを助ける」 その言葉は、とりあえずデートに誘って見せます!とぐっと拳を握るハルには届かなかった。 |