今日もハルの奇襲・・・もとい、訪問がおとずれた。 「ツナさーん!試写会の券貰ったんですけど、一緒に行きませんか?」 その言葉に、イタリアから帰ってきていた隼人が牙をむいた。 「ばーか!十代目がお前となんて行くか!」 「しかしリボーン・・・それでは、ボンゴレの気持ちが伴わないのでは?」 どこぞの令嬢にしたって変わらないだろうに、今更か。 内心そう思いながら、リボーンはニヤリと笑う。 「安心しろ、あいつはダメツナであると同時に、ニブツナでもある」 「はひ!誰が馬鹿ですか!券は二枚しかありませんからね!獄寺さんはお留守番ですよーっだ!」 「あぁっ!?誰が行くかそんなもん!」 べーっと舌を出すハルに隼人がむがーっと叫ぶ。 それを武が楽しそうに見ていた。 「あの、ハル・・・悪いんだけど、俺いけないんだ・・・」 リボーンからの課題終わってないし、という言葉はこっそりと内心でつぶやいた。 「はひっ!そんなぁ・・・」 しゅんっとしてしまったハルに、隼人は追撃することも忘れ、思わず押し黙る。 「あのニブツナ・・・」 ツナを思い浮かべて、リボーンはくくくと喉で笑った。 「あいつは自覚してねぇけどな」 「じゃあ、山本さん!一緒に行きましょう!」 それでもやっぱり隼人はスルーらしい。 目の前の隼人をちらりとも見ることなく、ハルは笑っていた武に振りむいた。 「ん?俺か?」 「はひ!ハルもよくは知らないんですけど、話題作らしくて券をもらったんです。もったいないですし」 「んー、それもそうだよな」 頷いて、じゃあ行くか!なんてムードになった二人に、綱吉は思わず眉を寄せた。 「じゃあ、ツナさん、またの機会があったら、ぜひ一緒に行きま・・・はひ?」 あれ・・・?ハルの腕を何かがつかんでるよ?・・・って、俺の腕だよっ! な、何でおれ、ハルの腕をつかんでるんだろっ! 「どうしたんですか?ツナさん」 キョトンとハルが俺の顔を覗き込む。 「あ・・・えっと・・・リボーンから、課題が出ててさ・・・手伝ってくれない?」 思わず口走っていた言葉に、ハルはぱぁっと顔を輝かせた。 「その手が、他の奴の手を引っ張るのを、ずいぶんと嫌うらしい」 「はいっ!」 「威勢がいいな、ハル」 突然聞こえた声に、綱吉はびくりと体を振るわせた。 「リ、リボーン!お前、帰ってくるの明後日じゃっ!」 「うるせぇぞ、ツナ。お前課題は終わったのか?」 「うぐっ!」 押し黙ったツナに、ハルが慰めるように笑う。 「ツナさん、頑張りましょう!ファイオー!」 「ハル・・・うん、頑張るか」 それに綱吉の顔がどんどんと晴れていく。 「お前ら、フィーリングバッチリだな」 ニヤリと笑ったリボーンの呟きは、騒がしい彼らには届かなかった。 |