何も混じらない白じゃ奇麗すぎるから、淡いピンクの入った統一感のある部屋。 大きな窓からは日差しが燦々と入り込んで、明るく室内を照らす。 そこからは中庭に出れるようになっていて、沢山の花が咲き誇っていた。 扉は一つ。 鍵は普通の、他の部屋と同じもので構わなかった。 もちろん、パスワードはハルの部屋と変わらない。 だって、この部屋は出ることに意義がある。 「・・・ん、」 ぐるりと部屋を見渡していた綱吉は、小さく唸る声の方へと振り返った。 やはり淡いピンクで統一されたベットの中のハルがゆっくりと瞳を開いて、じわじわと焦点を取り戻す。 「・・・起きた?ハル」 できるだけ、震える声がばれないように優しく問いかける。 「ツナ、さん・・・?」 きょとんと眼が見開いて、きょろりと目が動く。 「大丈夫?体痛くない」 「はひ・・・大丈夫ですよ」 ふわりと、ハルが笑う。 ざわりと背筋に何かが走った。 「ハル、お願いがあるんだけど・・・いいかな?」 扉の向こうでゴクリと息をのむ音を感じた。 その音は複数で、やっぱりこの感覚は俺にしかわからないななんて思う。 だって。 「この部屋に・・・ずっといてほしい」 目を見てまっすぐに言うと、ハルはまたふわりと笑った。 「はい。 わかりました」 今のハルは俺のすることなら、絶対に何でも受け入れるから。 溜息を吐く声が扉の向こうでいくつも聞こえたけれど、不思議とショックは起きなかった。 たぶんそうなるだろうな、と思っていたから。 「ずっと、この部屋にいます」 ハルが壊れてしまったのはいつからかわからない。 だけど、多分・・・絶対に俺のせいで壊れてしまったんだ。 今、俺は試されてるんじゃないかって思う。 「ハル・・・」 そっと頬に触れる。 優しく、優しく触れて、そっと撫でた。 「ツナさん?」 きょとんとハルが俺を見返してくる。 辛い時、悲しい時、笑顔で俺を支えてくれたのはハルだった。 昔の俺が好きになってくれないと分かっていても、それでも好きだと言ってくれた。 ずっとずっと、支えてくれていた。 「待ってて」 もう一度、ちゃんと恋がしたい。 |