「さて、そろそろ綱吉君の殺気も怖いことですし、ドレスを選びに行きましょうか」
「殺気、ですか?」

「ああお気になさらずに。ねぇ?綱吉君」
にこり、と骸が笑って、先ほどから熱いほどの殺気をくれる綱吉に振り返る。
骸からは笑顔で殺気を出しているように見えるが、無論ハルからはただ笑顔を浮かべているようにしか見えない。


「俺が選ぶんだろ?」
「ええ。・・・あ、ですがミニとか子どもっぽすぎるのはダメですよ?なめられますからね」
「わかってるって、それくらい」

漸く殺気をおさめた綱吉と会話を交わして、適当なブティックへ向かうために車を用意して乗り込んだ。



「さて・・・とりあえず適当にイメージということで、綱吉君から見て、ハルに何色が似合いますか?」
「・・・やっぱり本気で俺が選ぶんだ」
俺そういうの苦手なんだけどなぁ・・・とがくりと項垂れる綱吉を無視して、骸が綱吉に答えをせかした。

「いいから早く選んでください。とりあえずその色のドレスを見つくろってもらいますから」

そう言われて、綱吉が考えるようにハルを見つめる。

「・・・うーん・・・」

「いきなり難易度が高すぎねぇか?ドレスなんて選んだことねぇんだぞ、こいつ」
似合う色を答えるのはそんなに難易度が高いのかと思うが、未だに考える綱吉を見るとリボーンの言葉が正しいような気がする。


「・・・それもそうですね。では消去法でいきましょう。ハルに似合わない色はなんですか?」
「似合わない色、かぁ・・・」

じっ、と真剣な眼差しで見つめられて、少しハルの頬が染まる。
けれど綱吉はそれに気付かないで、じっとハルを上から下へとみていく。



「・・・まだですか」
うーん、という綱吉のうめき声が続いて十分後、正直目的のブティックも近くなってきてついに骸は綱吉に声をかけた。

「さっさと決めやがれ」
リボーンは3分めほどから愛銃の整備を始めてしまった。
ハルは綱吉のために微動だにせずに、困ったように笑っている。


「・・・ずっとさ、考えてるんだけど・・・」

十分ぶりにハルから目が離れて、綱吉は骸とリボーンを真剣に困った顔で見た。
「何だ?」

きょとん、と首をかしげるリボーンに、綱吉は真剣に、そうそれはもう真剣に言った。


「ハルに似合わない色って、あるの?」


「「・・・・・・・・・」」


こいつ、馬鹿だ。
この時リボーンと骸の思考は、驚異のシンクロ率400%を超えた。





この天然無自覚タラシがっ!!



( 僕胃が痛くなってきたので、帰ってもいいですか )