頭の中が真っ白になった。 「今・・・何、て?」 信じたくない、信じたくない、信じたくない・・・けど。 リボーンが苛々と舌打ちをした(本気で怒ってる)。 「もう一度言う。京子とハルが――」 ギラリとリボーンの眼が光って、俺のごくりと唾を飲んだ音がやけに響いた。 「さらわれた」 「っ―――!」 一瞬でリボーンの殺気が部屋中に広がって、窓がビリビリと音を立てた。 違う、俺の殺気も押さえきれないで溢れていた。 「京子ちゃんと、ハル・・・が」 その辺の変態じゃ二人を攫うなんてできるはずもない。だって、 「二人につけていた奴らがやられた」 ということ、は。相手はマフィアだ。 マフィアが京子ちゃんとハルを攫った理由・・・は。 「目的は、俺」 相手がマフィアなら、確実にボンゴレ10代目になる俺が目的で。 だから、二人は。 「俺のせいでさらわれた・・・?」 唇をかんだ。 俺のせいで二人が攫われたなんて。 「向こうも目的を達成するまではむざむざ人質に手だしはしねぇだろうが・・・」 リボーンの手の銃がガチャリと鳴った。 「ボンゴレに手を出したこと、後悔させてやる」 クツリとリボーンが喉で笑って、俺を見た。 「で、どうする?ボス」 ボスとか、滅多に言わないくせに。 「場所はわかってるんだろ?」 いつものあのミトンを掴んだ。 「当然だろ、ボス」 リボーンがにやりと笑う。 「イーピンとランボは自宅待機。皆を呼んで」 「恭弥と骸もか?」 分かってるくせに、白々しいって。 「勿論」 上着に袖を通した。 「手加減は?ボス」 振り返ると殺気ただ漏れのままニヤリと笑うリボーンがいた。 そんな顔して、よく言うよ。 「ボンゴレに手出したこと、後悔させてやるんだろ?」 絶対に、助けるから。 |