絶対に、助けるから。


一回深呼吸をして、目を閉じた。



京子ちゃんと、ハル。


京子ちゃんは俺の好き・・・だった人で。

高校になってからはやっぱり憧れだったんだなーって思って。
確かに今も好きだけど、今は親愛っていうか。

何も知らないで笑っていて、日本で幸せになってほしいって思う。
こんなことにも巻き込まれないで、普通に暮らして欲しい。

そうして昔大好きだった、今だって優しくなれるような笑顔で笑っていて欲しいって、思う。


ハルは・・・俺を好きでいてくれる子。

静かにしてたらモテるんだろうなーって思うのに。
昔はちょっとウザイとかって思ったこともあったけど。

いつからか一生懸命にしてる話を聞きたいと思って、そうしたら思った以上にハルはたくさんのことを見ていて。
俺のことだって盲目的なんかじゃなくて、ちゃんと見てくれてるんだって思った。

だから、幸せになってほしいと思った。



俺のことなんか諦めて、誰かハルを幸せにしてくれる人を好きになってほしいって。




「10代目」
思考が途切れた瞬間に入った声に、目を開いた。

「・・・何、隼人」

隼人を下の名前で呼ぶようになったのは何時からだったっけ。
高2の初めくらいに確かリボーンが「部下に敬称なんてつけてるんじゃねぇ」って言って、それから名前に発展したんだっけ。


「――全員、揃いました」

その言葉に振り返ると、皆がいて。
リボーンに武に了平さんに恭弥さんに骸。


「恭弥さん、骸」


「何?」
「何ですか、ボンゴレ」

思っていたより自分の声は低かった。
武器で遊びながら答えた恭弥さんと骸を真っ直ぐに見た。



「主犯格以外相手だったら、自由に暴れていいから」

その言葉に二人の肩が跳ねた。


「おや、よろしいので?」
よくなかったら言ってないだろ?骸に頷いた。


「気が済むまで潰していいってことでしょ?」
「味方は巻き込まないようにお願いしますね、恭弥さん」

あと骸もな。


渋々っぽかったけど頷いた二人に、もう一度前を見た(この人たち混乱に乗じてお互いに叩きのめすつもりだ・・・)。

一気に集中して。


そういえば、死ぬ気丸がなくても死ぬ気になれるようになったのは、いつからだっけ。
・・・ああ、あの日。ハルにこの姿を見られた、時からだ。


「二人を、助けられなかったら」


ハル、京子ちゃん・・・必ず、助けるから。




「死んでも、死にきれねぇ」





その代償は



( 二人に手を出したこと、後悔させてやる )