「青春ですねー」


青い春とは、本当日本人とは言葉が上手いですね。とクフフと特徴的な笑い声を上げる骸の隣でリボーンもニヤりと笑う。

「ま。その名の通り技術も拙いしな」
「流石アルコバレーノ。プレイボーイならではのお言葉ですね」
クフフフフ、ハハハハと二重奏を響かせる骸とリボーンの隣にいた隼人は、ただただ顔を赤くさせていた。



「それにしても、もう何回目?」
はぁ、と恭弥のついた溜息に反応したのは了平で、燦々と拳を振り上げた。
「うむ、二桁には到達したな!極限がっついてるな!」

「がっつくって・・・何だかロマンが無いわ」
その反対隣にいるクロームはやはり女性という感じで二人の光景をうっとりと見つめていた。
さながら、ドラマにのめりこんでいるように。


「いやーそれにしても、ツナって本当欲求不満だったのな」

あっはっは、と笑った武に、とうとう隼人の中の何かがブツリと切れた。
わなわなと拳が震える。


「て、て、てめぇら目を閉じやがれぇ!!」

イメージ的には活火山が噴火するかのごとく、隼人の頭から湯気がでそうなほどに顔が赤い。


「純粋ですねぇ、君は」
リボーンを見習なさい、と事もなさげに言う骸にリボーンが鼻で笑った。

「は、てめぇには負けるぜ」
「そんなことを吹聴されたら、まるで僕が汚れきった大人のように聞こえるじゃないですか」

「あ?否定できんのか?」
ニヤニヤと見あげてくるリボーンに骸は否定も肯定もせずに笑うだけだった。
未だクロームは骸の隣でうっとりとしながら二人の光景を見つめていた。


「それにしても、これだけ騒いでも気付かないなんて・・・まさに二人の世界ってやつ?」

いい加減にしてほしいんだけど。と恭弥は溜息を吐いた。
何せ、我らがドン・ボンゴレである綱吉の机の上には山のように書類があるのである。

「む!その通りだ!リボーン、極限どうするのだ!?」
あのままでは仕事がはかどらないぞ!?という了平にリボーンはニヤリと笑う。


「今は黙っておいてやろうじゃねぇか」

「おや、寛容ですねぇ」
クフっと茶化すように笑う骸にリボーンが鼻で笑って、


「今だけな。まぁ・・・最後まで行きそうになったらコレで止めてやるよ」
ジャキリと構えたのは彼の愛銃である。



「そっれにしてもなげぇなぁ・・・ツナとハル」
ちらりと武が目を向けた先には、まだ口を重ねている綱吉とハルの姿があって・・・。

いや、先ほどとは違ってハルの手は綱吉の背中に回っていたし、肩と頭を引き寄せていた綱吉の手が片方腰に回っている。
その光景はまさに恭弥の指したとおり二人の世界というやつで。


二人を見ながら色々と語り合う面々に、もう一度隼人の中の何かがブツリと音を立てて切れた。



「い、い、いいからてめぇら目を閉じやがれぇええ!!!」



勿論、その叫びも綱吉とハルに届くことはなかった。





世界には二人だけ



( ところで、何時になったらあの二人はキスをやめてこちらに気付くんでしょうかねー )