着いた途端、迷うことなく分かった。 「で、ハル。どこにいる・・・」 リボーンちゃんの声も最後まで聞かずに、真っ直ぐ歩き出した。 わかる、聞こえる。ツナさんは、こっちにいる。 (あなたが、助けてくれてるんですよね) こっそりとおなかに触った。 きっとハルだけじゃ待っているしかできなかった、もしかしたら自殺していたかもしれなかった。 貴方が、助けてくれているんですよね。 「ツナさんは、こっちにいます」 証拠も何にも無かったのに、皆ハルの言葉を信じてくれて、ついてきてくれた。 皆ツナさんをこんなかすかな光ですら縋るほどに助けたいんだって、だからこそ誰も疑うことなくついてきてくれてる。 ハルのことも、信じてくれているってことですよね。 「危ねぇ!」 左からやってきた敵に、隼人さんがダイナマイトを取り出した。 「邪魔をすると、咬み殺すよ」 前からやってきた敵に、恭弥さんがトンファーを構えた。 「悪いなー。うちのボス返してもらうのな」 右からやってきた敵に、武さんが刀を構えた。 「おやおや、容赦はしませんよ」 後ろからやってきた敵に、骸さんが右目を使った。 リボーンちゃんは傍で護ってくれていて、迷うことなくつきすすんだ。 隼人さんが一人倒す、武さんも恭弥さんも骸さんもリボーンちゃんも、皆が一つ、また一つって背負っていく。 だから早くいかなくちゃ。 「ツナさん」 今迎えにいきますからね。 突然変哲もない床でゾクリと悪寒が走った。 聞こえる、声が聞こえる。 ツナさんは、絶対にここにいる。 「ハル?どうした、何かあったのか?」 突然座り込んだハルに、リボーンちゃんが戸惑うように聞いてくれた。 隼人さんたちの視線も集まったけど、それに答える暇すら無くって。 ここにいるんですね、ツナさんが。 確かめるように聞くと、そうだよ、と聞こえた。 早く迎えに行ってあげて、早く傍に行ってあげて、って声が聞こえる。 「ツナさん・・・」 カチャリと音がして突然床に現れた線にリボーンちゃんたちが驚いた顔をした。 急いで開けて梯子づたいに中に飛び込んだ。 「――ツナさん!」 中央に、誰よりも一番ボロボロで倒れてる人。 「ハ、ル・・・?」 間に合った!歓喜の声が聞こえた。 |