ボロボロになってるツナさんの髪をそっと撫でた。 細かい傷は数え切れないほどで、大きな怪我もたくさんあって。 誰よりもボロボロでたった一人で、戦ってた。 「ツナさん・・・」 「ハ、ル・・・なんで、ここ、に」 喋るのすら辛いみたいで、ツナさんがゴホゴホと咽た。 体は土や埃まみれで、たくさんの血も出てた。 「ごめんなさい・・・その、待ってられなくて」 そう謝ると、今度はツナさんの視線が後ろの隼人さんたちを見た。 「な、にやってるんだよ、皆・・・。ハルを止めないで・・・!」 俯いた隼人さんたちを庇うように、口を開いた。 違うんです、ツナさん。 皆さんは止めようとしたけど、それを聞かなかったのはハルなんです。 「だって、教えてくれたんです。ツナさんが危ないって」 教えてくれたんですよ、ツナさん。 危ないって、ツナさんが危ないって教えてくれたんです。 「ハル?」 ツナさんが不思議そうな顔をして、後ろの皆さんも不思議そうな顔をした。 本当なんですよ、聞こえたんです。 「ハル、何を言って・・・」 リボーンちゃんも首を傾げた。 だけどさらに続けた。 「今行かなくちゃツナさんが死んじゃうって、聞こえたんです」 だから、ハルは危ないって分かってても、ツナさんが来るのを嫌がっても、来ちゃったんです。 待ってて、っていう約束破って、ごめんなさい、ツナさん。 「ハル?どういうこと?」 恭弥さんも隼人さんも皆不思議そうな顔をしていて、唯一骸さんがはっと顔をあげた。 「まさか、貴方・・・」 正解ですよ、骸さん。 ツナさんボロボロだから、疲れきってるから、気づいてないんですね。 もっと傍によって、ボロボロの手を持って、分かるようにそっとおなかにあてた。 ここに、いるんですよ、ツナさん。 「助けに行きたいって、この子が言ったんです」 分かりますか、ツナさん。生まれる前からこの子はツナさんのことを愛してくれているんですよ。 引っ張っておなかに当てた掌に、そっと手を重ねた。 ずっとこの子がハルのことを助けてくれたんですよ。 「おれとハルの、子・・・?」 ああ、やっと分かったんですね、ツナさん。 丸みのある目をもっと丸く開いて、ツナさんがハルのおなかを見つめた。 この子が助けてくれたから、分かってたんですよ、ツナさん。 ツナさんは、ちょっとだけ絶望していたんですね。 「そうですよ、ツナさん」 |