「お、はようございます!ツナさん!」 えへへ、と真っ赤な顔をして微笑むハルに、思わず笑みが浮かぶ。 「うん、おはよう・・・ハル」 笑みを向ける俺の顔も、きっとだらしない笑顔で赤くなってるんだろう。 そんな笑みを受けてさらに笑みを深くするハルの笑顔は可愛い。 ふわりと、頭を撫でるとさらに嬉しそうな顔をするその表情が、酷く愛しくて仕方がない。 「じゃあ、行きましょうか!」 にっこりと笑って俺の腕に抱きつくハルはいつも通りで。 だけど、その雰囲気はいつもよりもずっと甘さを伴っていて。 香りに、くらりと頭の中の何かが揺れる。 「京子ちゃん!おはようございます!」 「あ!おはよう、ハルちゃん!」 やっぱりいつも通り親友を見つけて腕を離して走っていくハルの後ろ姿に若干むっとしつつも、仕方がないと苦笑した。 流石に京子ちゃんに嫉妬はできないし。 「ツナ」 「武・・・」 ふいに声をかけられて振り向くと、そこにはいつもより早く武と隼人がいた。 「付き合うことに、なったって聞いたのな」 「・・・十代目」 じっと、どこか痛ましげな瞳で見てくる二人に、思わず少し目を逸らす。 「・・・・・・うん。でも、ちゃんと・・・俺から言う。俺が、言うよ」 隼人と武の顔を見ることが出来なくて、俯いたままそう呟く。 こんなこと、いけないって分かってる。 ハルに、イタリアに行くってことを言わなくちゃいけないことも。 それがどれだけ酷いかってことも。 わかって、る。 「俺は・・・俺は、十代目が決められたことなら、反対はしません。・・・ただ、その、無理はしないでくださいね?」 「隼人・・・」 「俺も、反対はしないのな。けど、なるべく早目に言ってやれよ?」 「・・・うん。ごめんね、二人とも」 そう言う俺に、やっぱり二人は痛そうな顔をしたままで。 だけど、この気持ちを止めることもできない。 「ツナさーん?行きましょう!遅れちゃいますよー!」 ぶんぶんと手を振り笑顔を向けるハルに、手を振ってこたえる。 好きだ。 ハルのことが、凄く。 だから、最後まで傍にいたい。 その笑顔を、隣で見ていたい。 それが、きっと最後にハルを傷つけることになるかもしれないけど。 でも。 (好きなんだ・・・) 好きで、好きで、仕方がなくて。 溢れてる思いは、今だって積み重なることしかできないほどに。 好き、だ。 「うん!今行く!」 それでも、君を好きでいたい。 |